カフェで働いてみた
14〜15 席の小さな空間ですが、カフェ業が初めてのわたしには全てが新しく。
今まで飲食店でしてもらったことを「する側」になった。
・お水とおしぼりを出す
・注文を聞く
・カトラリーを揃える
・お食事を運ぶ
・食べたら食器を下げる
・お客様が帰ったらテーブルを拭く
こんなことはお茶のこサイサイ!と思ってたけれど、キッチンから一番近い客席までの数歩の間にコーヒーをこぼし、キッチンに戻ったりしています。
並々と注がれたコーヒーに注意を払うことなく、颯爽と運んでみたいもんですが・・・いつか慣れる日が来るでしょうか。
意外と大変(その1)
この1ヶ月半の間に、色々と発見がありました。
まず、「わたしは2つ以上の事柄は覚えられない」ことを痛感しています。
「キッシュと、パエリア。ドリンクはレモンスカッシュとレモネード(アイス)。料理と一緒にお願いします」
文字で見れば簡単だけど、片付けの途中呼び止められたりすると、メモできないから動悸が早くなって、物凄い挙動不審になります。
顔だけは笑ってるから、逆にホラー。
「えーと、キッシュ1、パエリア1。レモンスカッシュと、レモネードは・・・アイス・・・食事とご一緒ですね」
確認して、ダッシュでキッチンに戻り「キッシュいちパエリアいちレスカいちレモネードアイスいちしょくじといっしょで!」とオーナーにぶん投げるまで、耳から鼻から毛穴から覚えた文字がこぼれ落ちそうで怖い。
そういえば、オーベルジュで働いた時も、お風呂の入り方について、お客様にお伝えするのを毎回忘れてて「また?」とため息つかれてました。
怒られてメモるんだけど、また忘れて、また怒られ。お客様のご案内、すごく苦手でした。
怒られても忘れるって、もう、そこらへんの能力が陥没しているとしか思えない。
意外と大変(その2)
「さり気なくお客様の方を気にしながら、手を動かしてください」
オーナーを見ていると、お客様がオーダーをするまでちょいちょい気にしており。でも、その「さりげなく」って結構高度なテクニックだと思います。
つい、お客様のリクエストを逃すまじ!とガン見になるわたしに
「そんなに見なくて良いですから。慣れです、慣れ。」
と菩薩の如く慈愛に満ちた目で、20代男子に優しく諭され。
本当に慣れなのか?
いつかわたしも慣れるのか?
意外と大変(その3)
自分の重ね煮ランチ以外にも、カレーやドリンクならできそう。と思ったけれど・・・
一つずつならできますが、複数を同時進行でとなるとなかなか難しいもんです。
○○は、レードル2杯半
コーヒーのお水は250ml
レモンスカッシュは氷3つ
一つひとつのメニューの分量が決まってるから、覚えては忘れ、またメモをめくり・・・覚えた端から忘れる忘れる・・・
分量通りに作るだけでなく、料理を出すタイミング、追加でサラダの下準備・・・色んなことを計りながらコトを進めていくオーナーの指示通りに・・・
動けたらどんなに良いか!笑
我が脳みその容量の小ささにびっくりします。メモリの増設とかできないもんでしょうか。
チャンスの神様は前髪しかない
「できなかったら次の週からでも良いですよー」
2度、重ね煮ランチの試食をしてもらった後のこと。来週から重ね煮ランチを出しましょうか、とオーナーから提案をいただきました。
「重ね煮を広めたい。重ね煮を食べてもらって、元気になって欲しい。そう言う思いで、重ね煮料理を出したいんです」
と、つらつらと面接の時に言ったけども、いざ、「やりましょう」となると怖気づく。
見知らぬ方に食べていただき、対価を頂戴する。
やりたいことが、こんなにも怖いことだとは思いませんでした。
「美味しくなかったらどうしよう」
「オーダーが入らなかったらどうしよう」
「ちゃんと作れなかったらどうしよう」
心配性のインナーチャイルドが、色々言って来ます。
正直、自信はないけど・・・今、イエスと言わなければ、きっとこの次も見送ることになる。これまで、数々の「やりたいこと」を見逃してきた後悔は、山のようにあり。
「やります!できます!」
画して、毎週木曜日は週の中で一番、ドキドキする日になったのでした。